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こどもたちが自然と笑顔になる 3つのエリアを分けるリニックの空間づくり

新都心こどもクリニック

松澤 重行院長

科目
小児科
面積
60坪
開業月
2024年5月
HPアドレス
https://shintoshin-kodomo.com/

埼玉県さいたま新都心駅近くにある「新都心こどもクリニック」は、小児科診療を中心に、予防接種・乳幼児健診、睡眠障害、心身症・不登校など、子どものからだとこころに幅広く向き合うクリニックです。
松澤重行院長は、2021年4月に前院長よりクリニックを継承。その後、一般小児科としての診療を広げていく中で、コロナ禍における発熱外来対応、感染対策、診療動線、空間の狭さといった課題に直面しました。
そして2022年に移転を決意し、2024年5月に移転開院。今回は、移転を決意した背景から、新しいクリニックづくりに込めた思い、そして移転から約2年を経た現在の状況まで、さまざまな視点からお話を伺いました。

1. 医院継承から拡張移転へ。小児科として理想の診療環境を求めて

――今回の移転に至った背景を教えてください。

松澤院長:私は2021年4月に、前院長からこのクリニックを継承しました。
ちょうどコロナ禍での開業でしたので、当初は受診控えもありましたが、その後、第6波の頃から子どもたちの間で感染症が広がり、発熱外来の患者さんが急増しました。その中で、以前のクリニックの狭さや構造上の限界が、大きな課題として見えてきました。

――どのような点に限界を感じられたのでしょうか。

松澤院長:前のクリニックでは、発熱のある患者さんとそうでない患者さんを物理的に分けることが難しく、時間帯を分けて対応していました。
ただ、その切り替えのたびに診療が止まってしまいます。さらに、古い物件だったこともあり、空調や温度管理も難しく、患者さんが汗だくで待つようなこともありました。
一般小児科として診療を続けていく以上、発熱患者さんをどう安全に診るかは避けて通れない問題です。トリアージ、つまり患者さんの分離がしっかりできる、より広い場所に早く移転したいという思いが強くなっていきました。

2. 「こんな空間にしたい」と思えた、美しいクリニックづくり

――今回の移転では、まさにその課題を解決することが大きなテーマだったのですね。そのうえで、設計・施工会社はどのように探されたのですか。

松澤院長:シンプルにネットで検索しました。ウェルハートさんのウェブサイトを見たとき、施工事例が本当に美しかったんです。木目調のきれいな内装や、落ち着いた雰囲気が、自分のクリニックの理念に驚くほど合っていると感じました。
私自身、「安心、安全で、来てよかった。また来たい、と思ってもらえる空間」を目指していました。小児科だからといって、子どもっぽすぎるデザインにはしたくなかったんです。親御さんもスタッフも落ち着いて、気持ちよく過ごせる場所にしたい。そのイメージに、ウェルハートさんのデザインがぴったりでした。

――ありがとうございます。最初に先生からご連絡をいただいた後、弊社までお越しいただき、これまでの施工事例をご覧いただきましたね。

松澤院長:はい、その時も丁寧に説明していただき、見た目の美しさだけではなく、小児科ならではのノウハウをたくさん持っていることが分かりました。自分が考えていた「待合を分けたい」「患者さんをきれいに分離したい」「スムーズにオペレーションを回したい」という要望を実現してくれそうだと強く感じました。

3. 時間で分けるトリアージから、空間で分けるトリアージへ

――今回の設計で一番重視されたのは、やはり発熱外来・通常外来・予防接種のエリア分けでしたね。

松澤院長:はい、それらの3つのエリアをきちんと分けることです。時間帯で分けていた診察を空間で分けるプランにしていただくことでした。
そして3つのエリアを分る一方で、スタッフの裏動線はつなげていただく必要があります。

――設計する側としても、今回はかなり難易度が高かったです。診察室のほかにも処置室や中待合も必要でした。しかも区画の中央に邪魔な大きな柱もありましたね(笑)

本当に難解なパズルを解くような計画だったと思います。

何度も打ち合わせを重ねながら、「ここは譲れる」「ここは守りたい」という点を確認し、最終的には、患者さんが安心して過ごせて、スタッフも働きやすいプランにまとめていただきました。

――完成後、実際の運用はいかがですか。

松澤院長:とても良いです。3つのエリアがしっかり分かれていて、受付やスタッフの連携もしやすく、熱のある方を奥の診察室へ誘導する流れもスムーズです。
診察室についても、患者さんには各診察室に入っていただき、医師が中央の裏動線を通って診察室を回る形で診療しています。患者さんの入れ替えの無駄が少なく、プライバシーも保ちやすい。コの字型の中待合も空間の活用効率が高く、実際に使ってみても、よく考えられたプランだと感じています。

4. アーチ窓と木目がつくる、北欧調のやさしい小児科空間

――デザイン面についても、私たちとしては、かなりこだわったつもりですが、どのような印象を持たれましたか。

松澤院長:正直なところ、デザインに関しては、かなりウェルハートさんにお任せしていました(笑)
自分では思いつかないような提案も多く、とてもクリエイティブに仕上げていただいたと思っています。
特に気に入っているのは、温かみのある木目調の壁です。
以前からウェルハートさんの施工事例を見て憧れていたデザインでもあり、今回のクリニックで実現できたことを嬉しく感じています。
また印象的なのは淡い色のタイルとアーチ窓の組み合わせによるデザインです。まるで北欧のカフェのような、やさしく落ち着いた空間になっていて、とても満足しています。

――全体を通して、細部にわたり、あらゆる視点で打ち合わせさせていただきましたね。松澤院長:ウェルハートさんは、あらゆる場面でノウハウをたくさん持っていて、まるで「ドラえもんのポケット」のようでした(笑)。
こちらが「こういうふうにしたい」と抽象的に相談すると、「それならこういうパターンがあります」「こういう素材や見せ方もあります」と、具体的な選択肢がどんどん出てくるんです。
素人は、いい空間を作りたいと思っても、なかなかうまく言葉にできません。そこを先回りして意図を汲み取り、具体的な形にしてくれる。自分自身も、一緒にこのクリニックを作っているというワクワクした感覚になれました。

――完成後のお子さまや保護者の方の反応はいかがですか。

松澤院長:保護者の方からは、「とてもきれいですね」「落ち着きますね」と言っていただくことが多いです。
また、子どもたちの反応も印象的です。当院はいわゆるキャラクターを前面に出した小児科ではありませんが、院内に入った瞬間に、理由もなくニコニコして、何度もジャンプしている子がいるんです。
空間そのものに安心感があり、子どもたちが無意識に心地よさを感じてくれているのだと思います。

5. 関係業者との連携まで任せられる、設計施工一括の安心感

――弊社は設計から施工まで一括で管理させていただいていますが、どのように感じられましたか。

松澤院長:工事が始まってからの安心感はとても大きかったです。隣のビルで診療しながら、新しいクリニックがどんどん出来上がっていくのを見ていましたが、自分が打ち合わせで伝えたことが、そのまま形になっていくのが分かりました。
設計した人と現場をつくる人が同じ方向を向いている、あるいは作り方を分かったうえで設計している。その体制には大きな強みがあるのだと実感しました。

――関係専門業者との調整も印象的だったそうですね。

松澤院長:はい。水槽の専門業者さんや、電子カルテメーカーなどの医療システム関係の業者さんなど、私が手配している業者さんも複数いました。最初は、その方々とのどのように連携をとってゆけばよいか少し不安もありました。でも実際には、ウェルハートさんが真ん中に入って、仕様のすり合わせや工程調整をすべてコントロールしてくれました。自分たちで建築の専門的な仕様を説明したり、業者さん同士を調整したりするのは絶対に無理です。そこを専門知識を持って先頭に立ち、スムーズに進めてくれたことは、本当に頼もしかったです。

――開業後のアフターメンテナンスについてはご満足いただけてますでしょうか。

松澤院長:はい、とても満足しています。開業してから大きな事故や故障は起きていませんが、ちょっとした鍵の不具合やセキュリティカメラの位置調整などをお願いしました。そんな時もウェルハートさんはすぐに対応してくれました。日々診療を行う場所なので、ちょっとしたことでも気になるんですよね。そうした細かい要望もきちんと対応していただいて、本当に助かっています。

6. 年数が経っても飽きの来ない、深みのあるクリニックデザイン

――移転から2年が経ちましたが、空間への印象は変わりましたか。

松澤院長:長くここで診療していても、デザインに全然飽きが来ないというのは、改めてすごいことだと感じています。最初は新しくて斬新に見えても、主張が強すぎるデザインは時間が経つと飽きてしまうことがありますよね。でも、このクリニックは2年経っても、移転してきたばかりの頃と同じような新鮮な気持ちで毎日を過ごせています。

――「毎日食べても飽きない和食のようなデザイン」ということでしょうか(笑)
まさにその通りだと思います。強いソースのように一瞬で印象づけるのではなく、毎日いても心地よい。シンプルだけれど深みがある。そういう空間になっていると感じています。

7. これから開業・移転を考える先生方へ

――最後に、これからクリニックの開業や移転を考えている先生方へ、メッセージをお願いします。

松澤院長:まず、自分がどんなクリニックを作りたいのか、どんな患者さんが来て、どんな診療をして、スタッフがどう動くのか。そのコンセプトと機能的なイメージを、自分の中にしっかり持つことが大切だと思います。そして同時に、まだ言葉になっていないイメージや課題を一緒に整理して、具体的なかたちへ落とし込んでくれる、信頼できるパートナー選びがとても大切だと思います。
今回、建築という、何もないところから空間を作り上げていくプロセスをウェルハートさんと一緒に経験できたことは、私にとっても本当に面白く、素晴らしい財産になりました。

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